着物はじめてガイド

静かな中にしっとりと人の心をひきつけるのが着物の後ろ姿です。プレミアム切手の図柄として有名な、江戸時代の肉筆浮世絵である「見返り美人図」は振袖の着物の女性が歩みの途中でふとこちらを振り返る構図ですが、一度目にしたら忘れられない印象深さとそこはかとない色気を感じさせてくれる絵です。着物は現代のファッションのように肌を露わにする衣装ではありませんが、情緒が漂う上品な色気を感じさせるものなのです。

浴衣の後ろ姿の衿から覗いた白いうなじに、隠していたものが少し現れて初めて分かる色気に似たものを男性なら感じるものです。もちろん、着物の良さは男から見た色気ばかりでなく、洋装のように動きの自由度が高くないため、歩くときは歩幅を小さめにし、外股にならないように歩くとかの制約があります。それがその結果、マナーや立ち居振る舞いに気をつけることになり、着ている人の品格を高めることにつながります。だらしなく着ることができないのが着物ですが、きちんとした意識を持つことによりそれが立ち姿や歩き方、後ろ姿の美しさとなって表れてくるものといえます。